液状化の被害とは ■地震による液状化 東日本大震災では、関東地方の多くの地域で、地盤の液状化現象が起こりました。 一般的に地盤は、土や砂、水、空気などで構成されますが、中でも砂と水を多く含む砂質地盤で起こりやすいのが液状化です。 通常、砂質地盤は不揃いに存在する砂の間に水が分散され、安定した状態を保っています。 ここに地震の振動が加わると、揺られた砂と水は一旦混ざりあった後、砂が沈み、自由になった水が大きく移動したり、 地上に噴き出したりします。これが液状化現象です。 海岸や川のそばなど地下水位が高く、比較的ゆるい砂質地盤で起こりやすく 液状化が起こると比重の大きい建物は傾いたり埋もれたり、比重の軽い建造物(下水管など)は 逆に浮き上がったりします。 ■液状化の調査 敷地が液状化マップで危険度が高いエリアに該当している場合は、調査を行うことで、 より詳しく発生の可能性を知ることができます。 地盤の堅さや土の種類、地下水位を調べる標準貫入試験(ボーリング)と、 砂と粘土の割合を調べる粒度試験を行い、判定されます。 ■液状化の対策 液状化が予測される場合の対策は、最低でも柱状改良や表層改良は行いたいものです。 さらに地盤を締め固めるサンドコンパクション工法や堅い地盤まで杭を打つ杭基礎、 地下水位を下げるウェルポイント工法など、大規模な対策もあります。 しかしこれらは多額の費用が掛かり、実際の被害をみるかぎり、どの工法も万全の対策とまでは言えないようです。 また、実際に被害に遭ってしまった場合、最近では、建物を持ち上げて水平に戻し、基礎を補強するなど、 沈下補正の工法がいろいろ開発されています。